2008年 04月 24日

非ジャズの人がジャズ(3)

ここまでボリュームが云々などと書いたものの、ジャズ初心者の人が上達するには単に技術的な練習だけでなく意識や考え方も並行して変わっていかないと演奏レベルとしてある一定のラインを乗り越えるのは難しいと思う。

そのひとつがバンド内でのタイコの役割じゃないかと。
基本的にジャズと非ジャズな音楽ではバンドにおけるドラムの役割や立場がかなり違う。ロックなんかではドラムはリズムの要であって、ドラムがコケるとバンドがコケるというくらいリズム面での責任が重い。一方ジャズにおいてはドラムは必ずしもリズムキーパーではない。この点に気付けるようになるとドラマーはリズムキープの呪縛から解放され晴れて自由の身になれるのであるが、それこそが本当のジャズドラムへの道のはじまりともいえる。

リズムキープをしないというのは決して滅茶苦茶にやってよいということではなく、他のプレイヤーとズレてしまっては意味が無い。無論テンポが少々ズレたりしてもバンドを引っ張っていけるだけの演奏が出来るならそれはそれはそれで良いのだが。例えるなら今まではドラマー一人が担当だった仕事を他のプレイヤーも一緒になって分担してくれるということなので、場面によってはやはりドラマーがそれを背負わなければならないときもあるが、ドラムがいなくなったからといって演奏が止まることは無いのでそれだけでも自由度が全然違う。

ジャズ以外のドラムをやっている人にとってリズムキープを放棄するってのは(放棄ってのは正確ではないが、要は音としてのリズムを出さない状態)実は結構な恐怖感があって度胸のいることだったりする。通常ドラマー以外のメンバーは常にドラマーに対してリズムキープすることを期待しているし、実際にドラマーがコケて演奏が崩壊したような場面も何度も体験しているはずだからだ。それにドラムには音程が無い(当たり前)ので、バンドの中ではリズムを出すしか仕事が無いという一種の思い込みもある。実際エレクトリックなバンドではドラマーがどう頑張っても叩いたときのアタック音しかまともに聞こえないような環境も多く、必然的にそうなってしまうのは止むを得ないかなーとも思う。

他ジャンルの人がジャズを演るのに壁が厚いのはまずこうしたことに気付くまでに時間が掛かるのと、且つ気付いてから身体が自然に反応する状態に切替わるまでに(そこまで行かないと面白さがわかってこないと思うので)更に時間が掛かってしまうからだと思う。

ではジャズドラマーってのはいったい何の為にいるのだ、ってのはまたこんど。
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by batterista | 2008-04-24 00:49 | Jazz Drumming


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