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2008年 05月 15日

11万人月?

[三菱東京UFJ銀、コンビニATMで一部障害・システム統合]
[提携先ATMで早くも障害=約2万件不調-三菱東京UFJ銀の新システム稼働]
[三菱東京UFJ銀の一部障害、直接の原因は文字コードの設定誤り]
[(6000)人が作ったシステムは必ずどこか壊れている]

三菱東京UFJの障害に関する覚書。

【障害の概要】
・事象:午前7時に新システムが稼動後、旧東京三菱銀行の支店で作ったカードで現金の引き出しと残高照会サービスができなかった(約2万件)。午前11時55分に復旧。
・原因:10件以上通帳に未記帳の取引がある利用客のとき、三菱東京UFJ銀からセブン銀のシステムに対して記帳を促すメッセージを送る際の文字コードが、セブン銀側が「カタカナ」なのに対し三菱東京UFJ銀の新システムは「漢字」で送り出していた為。システム移行のテスト・リハーサルでは当該取引パターン(10件以上通帳に未記帳の取引)はテストに含まれていなかった。

【システム統合の概要】
・旧東京三菱銀のシステムをベースに旧UFJ銀のシステムを統合する
・主ベンダーは旧東京三菱がIBM、旧UFJは日立、新システムはIBM
・総費用約3300億円
・開発要員(ピーク時)約6000人
・工数ベースで約11万人月
・統合後の口座数約4000万、1日あたりの取引約1億件
・三菱東京UFJ銀行店舗数:670
・システム統合対象ATM:約3万6000台(旧東京三菱:約3000台、旧UFJ:約6000台、残る約2万7000台の大半はコンビニ、うちセブン銀ATMが約1万3000台)

んー、さすがに今回の一件はちょっとお粗末かも。
他社とのインタフェースなんだからテストではせめて全種類の電文を一度だけでも流すのが本来だと思うけど、時間とか環境の制約で出来なかったのか(セブン銀行といえばIY系列だからテストもいろいろと縛りが多そうな気がしなくもないな)、それともテストケースが単純に漏れていたのかなー。いずれにしてもコンビニATMに関しては優先順位を低くしてテストをはしょっていたことは間違いなさそう。

当初の報道ではプログラムミスとか書かれていたけど、実際には機械側の文字コードの設定が違っていただけという話らしい。それって上流のインタフェース設計や移行計画の話なので、単なるプログラムミスなんかよりもよっぽど始末が悪い。今回のパターンがテストケースに含まれていなかったことは言うまでもなく問題のひとつではあるが、単に伝えておけば良いことが伝わっていなかったというのは銀行側のインタフェース担当者の重大な過失でしょうな。

で、いずれにしても新システムも汎用機ベースだろうから言語もきっとCOBOLかRPGあたりなんだろうし、今後技術者が減少する中でここまでデカいシステムだと保守も大変そうだな。

しかしねぇ、開発工数で11万人月、ピーク時6000人ってのはいったい何なんだw。普段自分が接する範囲では大きいのでも数千人月規模だから想像も付かんですよ。6000人が同時に動いて出来上がってきたものが何も無くまともに動くなんてのは奇跡だよな。ま、システムの規模からしたらこの程度で済んでよく頑張ったと思わないと。

by batterista | 2008-05-15 00:34 | News


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