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2006年 06月 11日

ジャズドラムのシンバルレガート

ジャズドラムのシンバルレガート。

知ってる人は知っている話ですが、このシンバルレガート、日本ではよく「チン・チキ」「チン・チキ」っていう2拍の括り(くくり)で表現されますが、実際には「チキ・チン」「チキ・チン」というひっくり返った形が正しい括りと言われてます。
※読みにくいので以下「◇チン◆チキ」「◆チキ◇チン」と表現します。

ジャズドラムにあまり関心の無い人からすると両者の違いは単に「◇チン◆チキ」が1拍目か3拍目スタート、「◆チキ◇チン」が2拍目か4拍目スタートというスタート地点の違いだけのように見えるでしょう。

でもこのスタート位置の違いがジャズの世界では重要です。

というのも、この「◆チキ◇チン」はずーっと同じ音量で刻んでいる訳ではなく、一連のアーティキュレーション(ボリュームや音の長さなどの音価やニュアンス)がきちんとあるからです。先頭の「チ」が一番アクセントの効いた強い音で、その後の「キ」「チン」と次第に弱くなります。

これが「◇チンチキ」だと先頭の「チン」が一番弱く、2番目「チ」が一番強くなるので、実際に叩いてみるとわかりますが「◆チキ◇チン」と「◇チン◆チキ」を比較すれば「◆チキ◇チン」で括った方が腕の動きも含めて自然で理に適っていると言えます。

それともうひとつ、この「◆チキ◇チン」の先頭「チ」は2拍目か4拍目にあたり、ちょうどハイハットを踏むポイントと重なります。

よくジャズの世界では2拍目と4拍目を強く意識せよと言われますが、ドラムの奏法からも自然と2拍目と4拍目をより強く出すような奏法・スタイルになっていることがわかります。

他の楽器の事は詳しくわかりませんがドラム以外のヴォーカルや他の楽器でも同じようにその奏法やスタイルにグルーヴが出る(スイングする)秘訣が隠されているんじゃないかと思います。

よく言われる「インチキ」「インチキ」という間違った解釈のレガートは、ドラマーがこうした背景を理解していない場合が殆どなので、グルーヴ感やスイング感が今ひとつという人は念頭に置いてCDとか聞き直したり演奏してみると良いのではないかと思います。

by batterista | 2006-06-11 23:59 | Jazz Drumming


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