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2008年 10月 22日

ブラシかスティックか

Jazzの場合、アレンジの制約とか何か特段の決め事や指示が無い限り、ブラシかスティックか(あるいは素手とかマレットか)という選択は基本的にドラマーに委ねられます。

コンボJazzでは事前に約束事を決めすぎてしまったり、予定調和な方向ばかりに流れてしまうと演奏する側も聞く側も刺激がなく面白味が半減してしまいます。特にドラムは音量のレンジが広く、叩く道具も自由に選択出来る(即ちいろいろな表現ができる)ので、何を使うかによってサウンドに与える影響もそれなりに大きいです。

選択の判断材料としては
・テンポ
・リズム
・編成
・メンバーのレベル
・そのときの自分の調子とか気分
といったところが挙げられますが、これらをもとにして演奏が始まった直後の数秒の間のひらめきでエイヤッと選択する感じです。

この「どっちを使うか」というのは曲の開始部分だけでなく、始まってからもずっと意識し続けなければなりません。いわゆる「持ち替え」ってヤツです。

例えばブラシからスティックに持ち替えたら途端にアドリブが終わってしまったとか(次がベースソロだと特に辛いw)、アドリブがもう終わると思って持ち替えしないでいたら長々と続いて演奏が間延びした、みたいなことも結構あります。また持ち替えで慌ててしまいテンポが速くなったとかスティックを落としたりしてバタバタになってしまったなんてこともよくあります。

自分の場合、曲の最初はどちらもすぐ手に取れる状態にしておきつつ、それ(どっちを使うか)は演奏が始まるまで決めないニュートラルな状態を意識してます。小さい音=ブラシ、大きな音=スティックというのはお約束というかセオリーですが、時には周囲の期待を裏切るのもいいですし、いっそ何もしないで1コーラスくらいは待っている、なんてのも面白いです。

持ち替える場面では、コーラスの切れ間で慌てて持ち替えるよりも、多少中途半端な場面でも落ち着いて(平静を装ってw)サウンド的に切れ目なく違和感出ないようにするのが好みですね。道具を持ち替えても周囲に気付かれない存在感の薄さ、それってまるで普段の自分と同じなワケだ、いやワケです。

ジャズの場合、ドラマー以外のプレイヤーで実はドラム好き、という人が多く、私のようなそんじょそこいらのドラマーでは太刀打ち出来ないような深い知識とかコダワリを持っていたりします。そういうプレイヤーの人はドラマー次第でモチベーションも大いに変化するので、ドラマーは心して演奏しなければなりません。ここはスティックでガンガンに、という場面でブラシを使い続けたら、後で説教を喰らう程度は覚悟しておいた方がいいでしょう。

結局のところ「どっちを選択するか」にはセオリーはあっても100%正解というのは無く、「勘」とか「センス」みたいな話になってしまうのですが、そこがまた面白くもあり難しいところでもありますね。

by batterista | 2008-10-22 02:28 | Jazz Drumming


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